涙が止まらない。次から次へと。今、作られた涙だけじゃなくて、ずっとずっと昔から作り溜められてきた涙が今になって溢れ出してくる。ゆうちゃんに出会って、どんどん好きになって、好きが大きくなればなるほどいつの間にか哀しくなって。

「次が最後の歌かなぁ…。」

歌い終わったゆうちゃんが、そう言って小さく息を吐いた。

「実は、さっき出来上がったばっかりの歌があって。披露するのはもちろん、ちゃんと歌うのも始めてなんだけど…歌っちゃってもいい?」

ゆうちゃんが、ピアノでコード進行を確認している。こんな日に歌を作っちゃうなんて…。泣きすぎて鼻がグズグズしている。一生懸命、聴かなくちゃ。

「ピアノ間違えちゃったらごめんね。緊張する…。歌うね。」

ゆうちゃんのピアノの伴奏が始まる。
それは初めて聴く優しくて哀しいメロディーだった。