「………っ。」

思わず涙が落ちそうになって、なんとか必死で我慢する。斜め向こうの席で女子高生たちは相変わらず楽しそうに盛り上がっている。

どうしてこんなに鮮明に、まるで昨日の事のように思い出してしまうのだろう。

ゆうちゃんとのはじまりは最悪で、最高に甘ったるくて、多分一生忘れられない。もうあれから3年も経つのに。

あたしは空っぽのカップを二つ持ち、仕方なく立ち上がった。帰ろう。駅まで遠いけど、ゆっくり歩いて帰ろう。