***


「んんっ……」


ふわふわ、わたあめみたいな。

雲の上にいるみたいな感覚。


ちがう。

だれかが私の頭をなでてくれてる。


あったかくて、優しくて、大好きな手。

少しふれられるだけでもだめだったその手を、今はもっとって、ほしいって、思うようになるなんて。


もっと、もっと。

眠くて目は開けられないまま、頬を擦り寄せたら、


「っ……」


ふと、なにかを飲み込むような音が聞こえたのは気のせい……?


もっと……この大好きな手にふれられて、いつまでも寝ていたい……。


って!?


「はっ!!」


ゴンッ!!


「っ〜〜、いってえ……」

「うえっ!?なっ、渚!?」


なんかすごい音したんだけど!?

心地いいまどろみの中にいたところでハッとした。

今何時!?


と勢いよく起き上がったら、そこには渚のあごがあったらしくて。


「ごっ、ごめん、渚っ!!
大丈夫!?」


渚はあごを押さえたまま、顔を背けてる。

あわわわ!!私なんてこと!!


「ケガしてない!?骨折れた!?
どうしよう、病院……っ、ん、」