いつ間にか体は反転して、渚のほうを向いてて。


「なぎ、さ……っ」


体は燃えるように熱いし、

汗とか涙で顔もぐしゃぐしゃ。


なのに渚は、


「好き……かわいい、もっと、」


もっと、もっと。

俺の、俺の。


余裕がなさそうな声といっしょに、何度も何度も強く口づけてきて。


「あ、つい、よ、なぎ、さ……」

「ごめんな、けどもうちょい我慢して……」


もう足は渚の腕と、背中のドアになんとか支えられてる状態で、正直ガクガクで立ってられない。


「すきだよ」


「っ、あ、」


「大好き」


「ふっ、ん、」


「すっげえ好き」


ぶつかる瞳も、ふれる手も、声も。

まるで毒みたいな、熱さと甘さを超えた渚のぜんぶに、もうとにかくついていくのに必死で。


「わたし、も………っ」

いつものはずかしさとか、そんなのもうぜんぶなくなって。


「すきだよ、なぎ、さ……」



もうお互いの熱を分けることしか頭になかった。