「じゃあさっそくなんだけどさ、むぎ色白だし黒髪だし、あたしは特に……」
これとか。
「なっ!?」
く、黒って!
差し出されたそれに赤面する。
しかも三角ビキニで、ふちにゴールドのラメが入ってる。
こんな大人っぽいの、ぜったい似合わないよ!
「え〜、じゃあ、これは?」
「こんなレースばっかりじゃはずかしい……」
次に見せられたのは胸元にもスカートにもふんだんにレースがあしらわれた真っ白なオフショルダー。
純白なんて、私のイメージに合わないよ!
「じゃあ、こっち」
「めっちゃ穴あいてる!」
「見て第一声がそれなの?」
上はギンガムチェック、下は無地のモノトーンのハイウエスト水着。
でも下の横部分が太ももが丸見えのデザインで。
こんなセクシーのなんて、めちゃくちゃ気合い入れてます感があってはず……。
「もー!はずかしいはずかしいって!
むぎは久遠に喜んでほしくないの!?」
「っ、ほしい、けど……」
「はい!なら迷わずに試着!絶対よ!」
「で、でも、」
「それなら久遠に直接聞こっか」
「えっ、はっ!?なにを!?」
「やっぱ本人の好みに沿うのが1番だし。
むぎも久遠の好きなデザインなら問題ないでしょ」
いやいやいや!
そんなの今までのやつよりも1番はずかしいって!
「じゃあちょっと電話……あっ、もしもし久遠?今ね、むぎが、」
「あーあーあーあー!
わかった!もう分かりました!」
試着、すればいいんでしょ!
「よろしい」
着れたら見せてね〜!
なんて一気に10着くらい渡されて、シャッとカーテンを締められる。
私こんなにスタイルよくないよ……。
それに、どれも私に似合わなさそうなデザインばっかりだし。
「おっ、いいじゃん!」
「けどやっぱこっちかな〜」
「んー、もう一回こっち着てみてくれる?」
「ふんふんなるほど。
むぎはお腹もぜんぶ白いから、暗い方が映えるっと……」
「どこ見てんのばか!」