「だってさー、なんも言ってないのに、俺の声聞こえるって、そんだけ俺のこと常に考えてくれてるってことじゃないの？」


「そ、それは……」


たしかに、そう、だけど……！


「はー……むぎさ、自分がどれだけかわいいこと言ってるか、わかってる？」


「っ、わかんっない、よ、そんなこと……」


かああっと顔に熱が集中する。


渚があんなに笑っていた理由、やっとわかった……。

怒りなんて、もうどこにもない。


いくら距離が離れてても、渚もずっとずっと私を想ってくれてて、つながっているんだって。


「ふふっ……」


たしかに。

こんなのもう、言葉にできないや。

渚が好きすぎて、笑うしかない。


渚も同じ気持ちだったのかな、なんて考えたら。

ますます愛しさが体の奥底からとめどなくあふれてきて。

「……すき」


伝えずにはいられない。


「ん？なんて？」

「なっ、なんでもない……っ！」


またいじわるな顔……！

も、もう渚には流されな……。


「俺も好きだよ」


「っ……聞こえてるじゃん！」

「俺が貴重なむぎの「好き」聞き逃すわけないじゃん」


「っ〜〜!!」