「そっかあ〜!やっと付き合えたんだな、おまえら!」


「ん」


「だってさ〜、おまえら両思いなのになかなかくっつかないからってこっちはずっとウズウスしててさ!一昨日も、今日も手つないでるの見たときめちゃめちゃ嬉しかったんだからな!」


「……」


そっかそっか〜!


なんて、頬をゆるませて笑う碧に、妙に全身がゾワゾワしてくすぐったい。

森山と同じく碧とも小学校からだけど、そん時からむぎのこと好きなのはバレてたし、むぎと一緒にいるとこを見られる度に告白しろ!なんて応援してくれてたから、


やっと付き合えたって報告できて、結構……いや、正直めちゃめちゃうれしい。


けどまあ……。


『部屋飛び移れるんだったら、さっさと押し倒せよ!』

なんてアドバイスは1ミリも参考にならなかったけど。

……うそ。

いや、ちょっと?かなり参考になったわ、碧。


「おめでとう、渚!
夢、叶ったじゃん!」

「ん」


ニカッと笑って、親指を突き出す碧。

こういうところがいいんだよな。

自分のことじゃないのに、自分のことのように喜んでくれて、一緒に考えてくれて。

まるで自分の彼女を見ているようで、胸が熱くなる。


「サンキュ、碧。今度お礼する」


「えっ、なになになになに!?
デレ期!?デレ期なの、渚くーん」


顔、ちっか……。

うるせえ……。
はぁ……やっぱ、前言撤回。


「碧」


「なに!?渚くん!?」


「やっぱ一回そこに座れ。はっ倒す」

「ちょっ、オレ、むぎちゃんって言ってな……あ……」


「星見、さん、な?」


「今のは許せよおおおーーーっ!」


それから教室中に碧の大声が響き渡ったのは言うまでもない。