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「むぎちゃん!とうとう久遠くんと付き合ったの!?」

「どっちから告白したの!?教えてよ〜!」

「もうキスとかした!?どんなだった!?」


なになになになに!?

怖いんですけど!?


それから教室に入ったとたん。

目をギラギラさせて、ものすごい勢いで駆け寄ってきたクラスメイトたちに後ずさり。


「見てて焦れったかったからさ〜!やっと付き合えたんだって思うと嬉しくって!」


「そうそう!むぎちゃんのことみんなで応援してたからさ!ほんとにおめでとう!」


「あ、ありがとう……?」


ただでさえ学年関係なく人気のある渚だから、いくら幼なじみとはいえ、手つないで登校してきたし、もしかしたらなにか言われるんじゃないかって心配してたから、

まさかこんな反応されるなんて、予想外すぎて。


でも……。


「えっと……私が渚を好きなこと、みんな知ってたの……?」


「うん!だってむぎちゃん、わかりやすいし〜!」

「むしろ知らない人はこのクラスにいないと思うよ?」


まっ、まじですか……。

あっけらかんとした顔で言われてガクッとなる。


うちの親みたく、

応援してくれてたことを喜んでいいのか、自分の恋愛事情が筒抜けなのを悲しむべきか、複雑すぎる……。

私、そんなにわかりやすい……?