なぎさ……っ。


「むぎ」

「や……っ」


なぎ、さ……っ。


「や、だ……っ」

「え?」


渚……っ。

声にならない声で、心の中で必死に名前を呼んで。


「なぎ、さ、先輩、」


震える体で、震える声で。
握られた手にぎゅうっと力を込めて。


「むぎ?」


「め、目……」


「……」


好きって言うのも、キスをするのも。


「目、見えないの、や、だ……っ」

「っ!!」


「渚の顔が、見たい……っ」