忠告したはず…?


「もし私がシキさんの母親で、シキさんのことを愛していなかったらシキさんがいないところで忠告するわ。だって信じられないじゃない。愛していないなら余計に」


信じられない…。愛していないなら余計に…?
この女は何を言ってるんだ?


「でもエリーゼさんたちは私に忠告をしなかったわ」
「…それがどうだって」

「まだシキさんのことを信じているってことだよ」


あんな目で見られているのに、僕のことを信じている?

そんなはずは…。


「そして、それは愛しているっていうことでもあるの」
「愛してる…?僕を…?」
「何をそんなに不安に思っているのか私には分からないわ。どうしてそう思うようになったのかもね。でもシキさんは直接エリーゼさんたちに聞いたことがあるの?」
「いや、それは、ないけど…」
「じゃあきっと何かを見てそう思ったのね。なら聞いてみたらいいじゃない。疑問に思ったことを全て」


彼女の言葉に僕は目を丸くして固まってしまう。

考えたこともなかったその提案に、僕は驚きを隠せなかった。