過去に大きな傷を負い、その傷を引きずっている温美と、そんな温美を暗い世界から引っ張り出してくれた、優しく温かい、完璧な涼。
だけど本当の涼は、彼もまた大きな葛藤を抱えていて――
表紙にある、“ヒリヒリ青春ストーリー”という言葉がぴったりなお話だと思いました。
生きるって、きっとすごく痛いこと、多いんじゃないかと思います。
身に覚えのない悪意とか、どうしようもない現実とか。
温美と涼の過去もまた、自分にはどうしようもできない、暗く、大きなものです。
それでも、いつからでも、前に進むことはできるんだと。
“相手を”許せなくてもいい。
“自分のため”に、許していいんだと。
そう、この物語に教えてもらったことで、私もなんだか、すごく気持ちが楽になりました。
素敵なお話、本当に本当にありがとうございました。