次の日もまた次の日も、わたしたちは図書室で会うことを重ねた。


そうして迎えた……休みである土曜日の朝。

わたしはひとり、とある駅のホームに降り立っていた。


一度も利用したことのない、駅のホームだ。常和台ひとつ手前の駅。

この駅のそばに、改修工事を終えたばかりで綺麗になった図書館がある、ということをネットで知って。

休みになったら行こうと、心に決めていたんだ。


ただ、実は今日だけじゃなくて……わたしの土日の出かけ先は、いつでも図書館。

友達がいるていなのに、毎休み家にいるのでは、お母さんに変に思われてしまう。

だからわたしは中学のときから、友達と遊ぶといつわって、いろんな図書館に避難して時間をつぶしていた。


『今日は友達の家に遊びに行くんだっけ?』

『うん! いっぱい話してくるね』


……なんて。今日も今日とて、お母さんにウソをついてきてしまったわけで、罪悪感で胸がキリキリしているけれど。


「わ……」


駅から出て図書館が見えたところで、沈み気味な気持ちは一気に浮上した。


駅のすぐ近くに建った、片流れ屋根のおしゃれな建物。

外装は全部黒で、とてもシック。一見図書館とは思えない雰囲気だ。