【大丈夫?】
思わず書き込んで帰った一文。そうしたら翌日、永田さんから返信があった。
【あなたは、夜間生の人ですか?】
それに、またこっちからも返して……といった風に、俺たちは交互に、文章をやり取りするようになった。
永田さんがくれる文字は、いつだってすごく丁寧だった。
【今日も、お仕事お疲れさまです】
【好物が里芋の煮付けなんて、渋いんだね】
【雨夜くんの字は大人っぽくて、教えてもらってなかったら同い年だと思わないかも】
【雨夜くんも、無理しないでください】
ゆっくり時間をかけて書いたのがわかる、小さめの文字。
たくさん推敲してくれているのだろう。消しゴムで何度も消したようなあとが残っていることもあった。
……真面目な性格なんだろうな。
そんな風に予想がついた。
そして外見については、けっしていいとは言えない容姿をしているのだろう、と思っていた。
ノートに書かれた、【わたしはブス】という文字。それが原因でのいじめが、あったようだから。
だから、今日は少し驚いた。永田さんは、予想に反して可愛らしい人だった。
色白で小さな顔に並んだ、優しげな丸みをもった目や鼻。小ぶりな口。
眉は少し下がり気味で、なんというか……か弱い小動物を彷彿させるような女の子。