「毎日、文章のやり取りして。そんな友達の力になりたいって思うのは、当たり前のことだよ」
整った顔が、優しいかたちにゆるむ。
当たり前……なの?
頭が全然回らずに、わたしはぱちぱちと、何度も目をしばたかせた。
友達って、こんなに重たくて面倒でも助けてくれるもの?
友達がいない期間が長すぎて、わたし、よくわからなくなっているのかな。
それとも雨夜くんが、ボランティア精神あふれる優しい人なだけ……?
「だから……俺と話そう、永田さん」
「……っ」
目の前には、非の打ち所がない素敵な男の子。
これは現実なのかな。はたまた、夢なのかな。
その回答を見つけきれないまま……わたしは戸惑いを抱えて、うなずいた。