「わ、わたし……自分の外見に、じ、自信が、なくて……っ! このまま、やり取りを続けてたら……か、顔を、知られる日が、くるんじゃないかって……こわ、くて……っ」


情けない、消え入りそうな声だ。

くちびるのふるえが、そのまま声のふるえにつながっている。


「き……気持ち悪い、し、ブス、だし……っ、コミュ障で……しゃべりたくても、まともに、しゃべれないし……っ、ぜ、絶対、がっかりされるって思って……だから、やめたのは全然、雨夜くんのせいとかじゃ、なくて……っ」

「なんで?」


真っすぐ飛んできた疑問の声に、ヒュッと息をのんだ。

なんで?の、問いかけの先がわからなかった。


のろのろと上体を起こして、おそるおそる、布団から目だけを出す。

また息をのむ。

とても真剣な顔をした雨夜くんが、そこにいた。


「なんで、ブス?」

「……っ」

「気持ち悪いとか……それ、もしかして、いじめられてたときに言われたの?」

「あ……」


いじめという単語を聞いただけで、胸の奥が焼けつくように痛んだ。

くちびるを噛んで、ぎこちなくうなずく。すると雨夜くんが、信じられないセリフを続けた。


「俺は、まったくそうは思わないけど。がっかりもしないよ」

「……っ」


予想だにしない言葉をもらって、わたしは思わず、手に持っていた布団を落としてしまった。