ああ、本当に本当に、なんてことを。お詫びしようにもお詫びしきれない。

再び寒気に見舞われ、消え入りたい気持ちになっていると。


「……あのさ」

「……っ!」


雨夜くんの声が聞こえてきて、わたしはハッと身を強張らせた。


「ごめん、永田さん」

「……っ!?」


そのあとに続けられた謝罪に耳をうたがう。

ごめんって、なんで。だって謝るのは、完全にこっちのほうなのに。


「急に、距離詰めるようなことして。怖がらせたね」

「……っ!」

「ノートのやり取りが終わった時点で、察しないといけなかった。なのに直接、落し物届けにきたりして……」


驚きのあまり、布団の中で目を見張る。


わたしがノートの返事をしなくなったのは、雨夜くんに自分の外見を知られるのをおそれたから。

雨夜くんに、がっかりされたくなかったからだ。

でもその勝手な行動が、雨夜くんから、謝罪の言葉を引き出してしまった。


「〜ちっ、ちがう……!」


わたしはあわてて、声を上げた。

布団の中に顔を入れたまま、ぶんぶんと首を横に振る。


「違うの、あ、雨夜くんの、せいじゃ……っ、わ、わたしが……っ」


人と話すなんて、普段はできないこと。できる限り避けたいこと。

でも今は、なんとか伝えないとって。ただ、必死だった。