「あ……雨夜くんと、話したかった……っ！」
「……うん」
「あれっきりになるんじゃないかって、怖かった……っ！」
「……うん」
「ものすごく心配した……！ 関係が切れるなんて、嫌で……わたし……っ」
「うん……ごめん。永田さん」
言葉を出すことは苦手だった。自分に自信がなかったから。
出さなければ、相手に嫌われることはないから。保身することができるから。
でも自分を守ってばかりじゃ、なにも得られないんだ。
だれかになにかを与えることなんて、絶対にできない。
「わたし……雨夜くんを、嫌ってなんかないよ！」
だから必死に、わたしは続けた。
「雨夜くんの本音を聞けて、よかった。本当の気持ちを知ることができて、よかったんだよ……！ わたしがショックだったのは、雨夜くんに利用する気持ちがあったとか、そこじゃなくて……自分に、対してで……っ」
推敲なんてしないまま、思いつくままに、発していく。
