謝罪を重ねる雨夜くんに、わたしは必死に首を横に振る。
「あ……雨夜くんが謝ることないよ……!最低なんて、そんなこと……っ」
またすぐに詰まってしまう言葉。
どうしよう。雨夜くんに言いたいことも言うべきことも、まだ全然まとめきれていない。
失言をしたら、本当にもう二度と、この関係はつながらない気がする。
雨夜くんは、完全にわたしの手を放してしまう。
……でも。
混乱に陥りかけた心と頭を深呼吸で整えつつ、わたしは自分に言い聞かせる。
でも……まとめることは、そんなに大事かな。上手な言葉を用意しなきゃいけないかな。
そんなテクニックみたいなの、いる? だってわたしの素直な気持ちは、全部この胸に詰まってるのに。
次々と浮かんでくる気持ちたちを、真っすぐ雨夜くんに伝えればいいんじゃないかな。
言葉が下手くそでも、ちゃんと伝わるんじゃないかな。
だって、今自分の中にある思いは全部、本当だから。
ウソじゃないんだ。
「……会いたかった」
そう思ったら……ふるえる声が、勝手に口から飛び出した。
わたしの中の、本音でしかない本音。
今、彼に、彼だからこそぶつけたい気持ち。