「……っ」


はじめて見る、雨夜くんの働いている姿。

とてもかっこよかった。涙がにじんだ。痛いくらいに、胸がふるえている。


少し離れた位置から、どれくらい見ていただろう。

そのうちに、チカチカしたライトに囲われた軽トラックから、ひとりの男の人が降りてきて。

「交代!」だとかなんとか雨夜くんに話しかけ、雨夜くんは赤いライトを男の人に渡した。


ふう、と息をつき、顔を上げる雨夜くん。


「……っ!」


目が合った。歩道と車道。植木帯をはさんで。

そらせないまま、その場に固まる。雨夜くんも動かずにいる。


そうしてしばし、時が止まったかのようなシーンを過ごしたあと。

雨夜くんがふっと息を吐いて、植木帯を乗り越えてわたしの前にやってきた。


「あ……」


とまどいの声が漏れる。

会いたいと強く思ってはいたけれど、でもまさか、こんなすぐに対面してしまうなんて。

頭が混乱して、うまく働いてくれない。