おばあさんは貧血の診断だったし、入院などにはならずに、あれから家に戻っていると思う。

とりあえずお家に、行かせてもらおう。そして雨夜くんがどうしているかを聞いて、本人と話そう。


待っているんじゃなくて、自分から会いに行く。

雨夜くんと会ったら、わたしはーー。


自然と拳に力を入れ、歩いていたときだった。


……あれ。

細い道から大きな道に出たところで、わたしは心の中に声をこぼした。


歩道に隣接した車道の片側が、工事中なのか通行止めになっていて。

チカチカしたライトや、矢印の看板がそのまわりを囲っていたのだ。


こっちは通学のときに通る道じゃないから、工事中だとは知らなかった。

家と学校のUターンばかりを繰り返して、わたしの生きる範囲は、もうずっとせまかったから。


でも、きっとこれからは。

そんな風に気持ちを改め、歩道を歩いて通行止めとなっている車道のそばを、通り過ぎようとする。