それからゆっくり呼吸を落ち着けて、ゆっくりと食事を再開して。
お母さんと笑い泣きしながら、夕食の残りを食べた。
「ちょっと、夜の風に当たってきてもいい?」
洗い物まで一緒にしたあと。わたしはお母さんに了承をとってから、家を出た。
「暗くなってるから、スマホ持っていってね。気をつけてね」
お母さんの心配の言葉に、笑みを返して。もう作り笑いじゃない、本物の気持ちからこぼれた笑みだ。
外に出てみると、あたりはすっかり闇に沈んでいた。
いくら夏といえど、もう午後八時前だ。空にはぷかりと、満月になりきらない月が浮かんでいる。
ぬるい風が、肌を包む。夜の中を歩きながら、わたしは自分が今後すべきことについて、考えていく。
これからどうしたらいいか。まずは、雨夜くんを探すところからだ。
迷惑かもしれないけれど、雨夜くんのおばあさんに聞きに行こう。おばあさんならきっと、なにか知っているはずだから。