お母さんは「うん……うん」って。

わたしの無茶苦茶なまとまりのない言葉全部に、一生懸命うなずいてくれた。


溜め込んだものを全部吐き出していくうちに、わかったことがあった。

ずっと、言い聞かせてきた。わたしがいじめのことを言わないのは、お母さんを傷つけないためだって。泣かせないためだって。


でも……違う。本当は。


「わたし……恥ずかしかったの……っ」


本当は、自分のためだったんだ。

ぽろぽろと涙を流しながら、わたしは必死に、ふるえる言葉をこぼしていく。


「い……いじめられているなんて……知られたく、なかった……っ!お母さんには”いじめられてる子”なんて、憐れみの目で見られたく、なくて……っ、わたし……っ」

「うん……うん……っ」

「お母さんの前だけでは……っ、ふ、普通の……ごく普通の、女の子でいたかったの……っ!」


お母さんの顔は、涙でびしょびしょだ。

お母さん、ごめんね。ごめんね。本当に。


「ごめんなさ……っ、ごめ……」


わたしも涙で顔を濡らしながら、たくさんたくさん、ごめんなさいを吐き出した。

お母さんにきゅっと抱きつきながら、気持ちを伝えた。