SHRの時間が終わるまで、わたしはただ、お尻に走る嫌悪感に必死に耐えた。


「は……っ」


終わった瞬間、弾かれたように立ち上がって教室を出る。

でもこんな風に逃げたって、明日からもずっとこの席なんだ。


次の席替えって、いったいいつだろう。とりあえず夏休みに入るまでこのままなことは、確定している。


ぐったりとした気持ちで、いつものように図書室に足を向かわせる。

前のような楽しみなんてない。雨夜くんは来ないのに、わたしはなんのために、この四階分の階段をのぼっているんだろう。

そんなやさぐれた気持ちで、顔をいびつに崩しながらのぼっていく。


そうしてたどり着いた図書室。わたしはずんずん、真っすぐ書架へと進んだ。

さっそく本を選びにかかる。この焦燥感を抑えるには、本の世界に入り込まなければと思っていた。


現実から逃げなきゃ。はやく、はやく。

そうして本棚に並ぶ背表紙たちに、せわしなく視線を走らせていたときだった。