それよりなにより、こうやって放課後の寄り道に誘われたこと自体が、夢のまた夢のよう。

学校以外の場所でも一緒にいられるって、ただのクラスメートじゃなくて、友達って感じがするから。

こんなお誘い、嬉しくないわけがない。


……でも。


「あ……あのね。すっごく!すっごく嬉しいんだけど、あの……わたし、今日はちょっと……」

「ああ、用事? 突然誘ったもんね、しゃーないしゃーない」


ペコペコと頭を下げて謝るわたしに、矢崎さんはあっさりとそう言ってくれた。

嫌な印象は受けていないようだ。


「永田さんの分も食べて太ってくるわ」

「よ、よろしくお願いします……!」

「ふはっ。じゃ、また明日ねー」


そんな感じでひらひらと手を振り、更衣室を出ていった矢崎さんたち。


「は……」


その姿を見送ったあと、わたしは胸元のリボンを見つめて、小さく息をついた。