考えれば考えるほど、すっきりするどころか煮詰まってきてしまった。
いったん思案をやめようと、うつむき気味だった顔を上げる。
するとそこに、見たことのある景色をとらえた。
「あ……」
あてもなく歩いていたつもりだった。
けれど体は勝手に、記憶にあった道を進んでいたみたいだ。
すぐ目の前には、雨夜くんとバスケの練習をした公園があった。
隅にドンと腰を落ち着けた、バスケットゴール。
そんなに前のことじゃないのに、あの日のことをずいぶん懐かしく感じる。
あの日は、今日のように肌がチリチリするような日照りじゃなかった。
真反対の、黒い空で。雷が鳴って、急遽雨夜くんの家に避難させてもらった。
雨夜くんの胸の中で、雨夜くんのおい立ちや、夜間に行っている理由を聞いたんだ。