「……っ!」


おそろしさに、ガバッと勢いよく跳ね起きる。

肩で呼吸をしながら周りを見ると、そこは自分の部屋だった。


時計が示しているのは、午前四時。

カーテンのすき間から差し込んでくる光は、まだ弱く頼りない。


「わた、し……」


かわいた声が、口から漏れる。

状況から判断して、どうやらあれから、家に帰り着いて眠りに落ちていたみたいだ。


けれど、記憶がすごく曖昧だ。

曖昧どころか、スイッチをオフにしたかのように覚えていない。それくらい、混乱していた。


『え……あつ、み……?』


ただ、美和の驚いた顔と声は、しっかりと脳に記憶されてしまっていて。