「うわ……ごめん!気づかなかった」
「あ、全然……! ごめんねわたしこそ、急に来てーー」
「うえええ!?」
とそこで、わたしの言葉の上に、キインと響く声が重なった。
明山くんの声だ。明山くんも、金髪を揺らしながらこちらに駆けてきて。
わたしと雨夜くんを交互に見て、もう一度「うえええ⁉︎」と高い声を上げた。
「なに⁉︎ なに⁉︎ どういうこと!?」
「……明山、なんでもないから」
「えっ⁉︎ 涼、全日制の子と付き合ってんの⁉︎ ウソ⁉︎」
「そういうんじゃないって……」
雨夜くんがめずらしく、あきれかえったような顔をしている。
はじめて見る雨夜くんだ。男友達といるときは、こんな感じの顔もするんだ。
ほほえましく感じていると、藪内さんがわたしに声をかけてきてくれた。