◇
中学のときに親友だった女の子。
その子の名前は、天川美和(あまかわみわ)だ。
最初に話したのは、入学式の翌日。
会話のきっかけは、まったく同じシャーペンを持っていたことだった。
『それってもしかして、マルイヤで買ったやつ?』
美和からそう、声をかけてきてくれて。
入学したばかりですごく緊張していたから、本当に嬉しかったのをよく覚えている。
次の日、また次の日。わたしたちの距離は、急速に縮まっていった。
お互い母子家庭だと判明したのが、けっこう大きかったかもしれない。
仲間意識から、あっという間に唯一無二の存在になって。
家のことも成績のことも、包み隠さずなんでも話した。
二年に上がっても、わたしたちは同じクラスで。運命だなんてはしゃいで、常に一緒に過ごしていた。
ほかのクラスメートたちともほどよい関係を築けていたし、当時のわたしは、おだやかで充実した学校生活を送れていたと思う。
けれど……世界は突然、ひっくり返った。
クラスのリーダー格の女の子の悪口を、陰で言っている。
美和がわたしに関して、そんなウソを吹聴したから。
中学のときに親友だった女の子。
その子の名前は、天川美和(あまかわみわ)だ。
最初に話したのは、入学式の翌日。
会話のきっかけは、まったく同じシャーペンを持っていたことだった。
『それってもしかして、マルイヤで買ったやつ?』
美和からそう、声をかけてきてくれて。
入学したばかりですごく緊張していたから、本当に嬉しかったのをよく覚えている。
次の日、また次の日。わたしたちの距離は、急速に縮まっていった。
お互い母子家庭だと判明したのが、けっこう大きかったかもしれない。
仲間意識から、あっという間に唯一無二の存在になって。
家のことも成績のことも、包み隠さずなんでも話した。
二年に上がっても、わたしたちは同じクラスで。運命だなんてはしゃいで、常に一緒に過ごしていた。
ほかのクラスメートたちともほどよい関係を築けていたし、当時のわたしは、おだやかで充実した学校生活を送れていたと思う。
けれど……世界は突然、ひっくり返った。
クラスのリーダー格の女の子の悪口を、陰で言っている。
美和がわたしに関して、そんなウソを吹聴したから。