……強くなるって。頑張るって、決めたんだから。
その日の放課後。図書室のひと席に座ったわたしは、バスケットボール指南書に、必死にかじりついていた。
指南書は、書架にて見つけたものだ。
すごく古い本だけれど、【これであなたもプロになる!】といううたい文句に藁にもすがる思いで飛びついた。
今回のことはきっと、見方を変えれば心を鍛えられるチャンスだ。
ウジウジしているだけじゃ変われない。不安に思う前に、まず行動しなければ。
そんなふうになんとか自分を説得して、バスケの知識を得ようと思った……わけなのだけれど。
「腕を、外側に向ける……?」
残念なことに、読めば読むほど、頭はこんがらがっていくばかりだった。
レイアップシュートに、ジャンプシュート。
シュートだけで色々あるし、しかもひとつひとつに対して、気にかけるポイントが違っている。