というかわたしはもともと、運がものすごく悪いのかもしれない。


「………」


それから十分後。わたしの名前は、矢崎さんたちの名前とともに【バスケ】のところに刻まれていた。

卓球が人数オーバーで、じゃんけんで負けた結果、空いているところがバスケしかなかったのだ。


ど、どうしよう……!

全身にザッと鳥肌を立たせて、わたしは絶望に陥った。


明らかにわたし、足手まといだよね?

優勝を目指しているのに、わたしがミスをしたら……。


考えると血の気が引く。でもショックなのは、なにもわたしだけじゃなかった。


「うわ。もうひとりが永田さんって……」


斜め前から、声が聞こえた。

集まった矢崎さんたちが、わたしのほうをチラチラと見ながら、眉をひそめていた。


「え……大丈夫なの?」

「あー……まあ、決まったもんはしかたないじゃん」


会話を聞いて、心が凍りつくようだった。

忘れようとしている過去が、またじわじわと迫ってくるのを感じる。


中学時代。ひとりぼっちの教室。

わたしを悪く言う声。ブス。気持ち悪い。こっち見んな。


「……っ」


ダメだ、ダメ。あのときのことを思い出すな。

わたしは必死に、時計の秒針をカウントすることだけに集中した。