テーブルの上には便箋と封筒が乗っている。
 それは、お父様とお母様からの頼り。

 ここに居を移してからは、実家のホワイト家に顔を見せられていない。 だからこそ有難い言葉が綴られている。

 文には私を心配するお父様の文字。 言葉の端々に表れる体調の気遣い。
 そしてロナウドの良き伴侶となるべく、努力を怠らないようになさい、と。

 そういえば、ロナウドも私同様にホワイト家から足が遠のいているはず。 久しぶりに顔を見せに行くのも良い気晴らしになるかもしれない。

「ねぇ、ロナウド。 今度のお休みに二人でお父様とお母様に会いに行かない?」

「あぁ、もうずっとお会いしていないな。 リリィは里心かい?」

「失礼ね。 二人揃って顔を見せたら喜ぶのではないかと思ったのよ」

 お父様とお母様に会いたくなったのだろうとロナウドに指摘され、頬が赤らんだのがわかった。

 テーブルに置いたお茶を手に取って口に運んだのは、そんな恥ずかしさを隠す為だ。