「気分はどうですか?」

「えぇ、おかげで楽になったわ。 ありがとう」

「ですが、まだ無理はいけませんわ。 一ヶ月経ったとはいえ、お姉様の身体は体力も筋力も戻っていませんもの」

「そうね。 横になっていると大丈夫な気がしてくるのよ」

「起きて身体を動かす時は必ず誰かを呼んで下さい。 倒れて怪我をしてしまっては大変ですもの」

「それはわかっているのよ。ただ、その度に貴方や使用人を呼ぶのは気が引けて……」

「お姉様、お気になさらないで。 私はお姉様がこうして少しずつお元気になられた事がとても嬉しいの」

「ありがとう。 ロージーはこんなにも立派な令嬢になったのね」

「リリィお姉様がいて下さるのが嬉しいだけですわ」

 そう言って笑うロージー。

「ロナウドは今日はいらっしゃらないのかしら?」

「お忙しいのでしょう」

「そう……」

「ロナウド様はお優しいもの。 リリィお姉様が恋しがっていると知ったら、きっと明日には来て下さるわ」