先輩達の後は、私と紗央でアイドルグループの曲を振り付けありで披露した。
「芽生ちゃん、両手同時に動いてる!ウケる!!」
「ほっといて下さい!」
ダンスがぎこちなくて誠先輩に笑われたけど、全然悪い気はしなかった。
時間はあっという間に過ぎていて、カラオケ店を出る頃は真っ暗になっていた。
紗央と誠先輩の2人は方向が一緒だから別れて、尚輝先輩と2人きりになる。
「今日はありがとう」
「い、いえ。こちらこそ。楽しかったです」
「芽生ちゃん、最初すごい緊張してるからどうしようかと思ったけど」
「あはは、ちょっとだけ」
「笑ってくれて良かった」
「あ、はい……」
差し出された手に自分の手を乗せると、大きくて骨ばった男の人の手を感じる。
ただの握手なんだけど、自分の頬が一気に赤くなるのを感じた。