「おかえりなさいませ~!!」
店内に明るく弾んだ黄色い声が響き渡る。最初は驚いたけど、こんな声のトーンにももう慣れた。
「こちらの席でよろしいですか?」
自分もその一人になってしまってるし……。
ふと、ピンク色の縁の窓から外に顔を向ければ、 萌花がチラシ配ってる姿が見えた。
このお店の中で萌花が1番可愛いから宣伝になるんだと思う。
仕草は完全に女の子だけど、あの背格好…見れば見るほどイブ本人に見えてくる。
「ね、ねぇ。萌花っていつからここのアルバイトしてるんですか?」
ツインテールが似合う、最年長の望ちゃんに聞いてみる。
前に話した時、自分が1番バイト歴が長いって言ってたし。