働いた訳じゃないのに、この疲労感。ふらふらと家について、なんとか倒れるように自分の部屋にたどりついた。
あんなバイト、やめておいた方がいいんじゃないだろうか。そんな思いがじわじわと沸き上がってくる。
そう、無理だ。私にあんな事が出来る筈がない。現実離れし過ぎる、ついてけない、行かなきゃ良かったという思いで頭が混乱している時だった。
「芽生ちゃん、ごめん!!」
「……」
何故かイブが家にやってきて、玄関先で深々と頭を下げている。何に対して謝っているのか、すぐに理解できなかった。
「俺、なんか勘違いしてて」
「……」
「てっきり、俺の事、オタクとか友達に言って」
「え?」
「芽生ちゃんがそんなこと言う筈がないのに、皆で笑ってたんだと思っちゃって」
「何それ……そんな事」
"するわけ無いじゃん"という言葉を続けることは出来ない。
情報科の事を馬鹿にしていたのは事実。胸がズキンと傷んだ。