「イブ、おはよー」
「……おはよ」
いつもの事だけど、イブはとても寝起きが弱い。朝、一緒に学校に行く時は大きい筈の瞳が半分になってしまう。
「昨日、大丈夫だった?」
正確には今日だけど。顔を下から覗き込んだところで、イブの瞳が眠気で水気が増してるのが分かった。
寝惚け顔が可愛いな、なんて思っちゃうのはおいといて。
「……うん?」
「昨日、お父さん」
「えっ、あぁ……うん。大丈夫」
「怒られなかった?」
急にイブの目が大きく見開かれて、頬がが赤くなっていくから驚いた。
「うん。その、昨日はごめん」
「え、急にどうしたの?」
「芽生ちゃんを押し倒したの冗談だっていったら、父さんに滅茶苦茶怒られちゃってさ」
「……!?」
「俺、全く。全然そんなつもりじゃ無かったんだけど」
「え……、全く?」
ちょっとだけ、恥ずかしい空気になったと思ったのは私だけだったみたい。
「あれ、どうしたの?芽生ちゃんなんか怒ってる?」
すぐ隣を歩くイブが、キョトンと顔を傾げた。