教室に紗央とあかりの怒鳴り声が響き渡る。
「もー、びっくりしたよ!!いきなりいきなり居なくなるんだもん!」
「心配したんだよ」
「ごめんなさい……」
何でと咎められて、急にバイト先に行くことになったと店長を理由に使ってしまった。店長ごめんなさい。
「尚輝先輩も心配してたよ」
「……うん」
なんて紗央の台詞に体が固まった
先輩のことどうしよう。自分の気持ちに気が付いたけど、別にイブとつき合っている訳ではないし。
尚輝先輩に思わせ振りな態度は取りたくないけど、別に告白された訳じゃないし。
一緒にご飯食べたり、時々遊んだりしてるだけで、急にやめるのもおかしな雰囲気になりそう。
好きな人が出来たって2人に相談してみようかな。紗央に目を向けると、早速先輩達に連絡していた。
「今日、放課後に図書室集合だって」
紗央が私のために動いてくれている。それが分かるから断ることなんて出来ない。