「イブくん、送ってくてありがとう」

「いえ、こちらこそご馳走さまです!美味しいです」


うちの食卓の私の隣にイブが座る。半分、営業スマイルの入ってるこいつは笑顔が貼り付いている。
それにしても、運良く今夜は唐揚げだった。



「いっぱい食べてね!ご飯おかわりする?」

「太りそうだけど……、ちょっとだけおかわりします」


お母さんの台詞に"太る"と反応してしまうのは、萌花の事もあるんだろうな。太った萌花なんて想像出来ないけど。



「食べ盛りなんだから」

「はーい」


今日、店長と話してからずっと考えていた事があった。
二人のやりとりを眺めながら、ゆっくりと息を吐く。

イブの事、萌花の事、私のこれからの事ーー。
身の安全が大切なのは大前提。でも、それでやりたいこと我慢するのは納得出来ない。





「あのね、お母さん。私、バイト復活しようと思うの」


せっかく仕事内容も覚えて、バイト仲間とも話すようになって、楽しいと思うようになったのに、このままお休みを続けたくない。