「店長とあそこで何やってたの?」
バスから降りて、2人並んで家へと向かう。 ずっと無言だったイブが不機嫌そうに口を開いた。
「イブの昔話とかしてた」
「は、俺?」
「うん、店長が萌花に声かけたってところから」
「えー……余計なこと言ってないだろうな」
イブが両手で頭を抱えながら、ぶつぶつと言いながら私の手元に視線を落とす。
「芽生ちゃん何で手ぶらなの?」
「あっ、学校に置いてきた」
「え、鞄を?」
「どうしようっ!」
慌ててたポケットからスマホを取り出せば、紗央とあかりからかなりの連絡がきていた。
凄い心配してる。5時間目は自習だったとの連絡も入っていて、少しほっとしたけど。
"ごめんね。急に帰っちゃって*><ちょっとバイト先に行っててスマホ見てなかった"とグループメッセージを送れば、すぐに怒りのスタンプがいくつも付けられた。
「紗央達、めちゃくちゃ怒ってる」
「……」
「どうしよう」
スマホの画面を見て固まっていれば、イブも覗き込んできて。
「うわ、すげー、このスタンプ!」
なんて笑うから、久しぶりのイブの笑った顔に動悸が激しくなった。