はじめて、学校をサボってしまった。
平日の昼間ということもあり、人混みの少ない駅前通りをふらふらと歩く。
紗央達から携帯に連絡がきているのは気づいてるけど。頭の中がまとまらなくて、とてもじゃないけど教室に戻る気分じゃなかった。
自分が世界一可愛くて好きだなんて、一体、いつからああなってしまったのだろか。
大きな息を吐いて、石段に腰かけた。
通り行く人をぼんやりと眺めていれば、本当にいろんな人がいた。
頭が真っ赤ですごい頭の人。怖そうだな……なんて見ていれば、ヨタヨタしたお婆ちゃんの荷物を持ち始めた。
人は見かけによらないんだな。
あ、イケメン。凄い優しそう……何人か女の人に声をかけてナンパしてる感じ。最低……。
凄いロリータちゃんだったり、浮浪者、普通そうにみえる大学生、こんな時間なのにスーツでパチンコ店に入る人。
本当に色んなひとがいた。
そういう私も、こんかな時間から制服で過ごしてるんだから、不思議に思われても仕方ない筈。
なんて、足元に視線を落としたところで、
「あら、芽生ちゃん。何やってるの?」
聞き覚えのある懐かしい声が耳に入った。