「愛してる」
息子を抱いている私の肩に手をまわして、抱き寄せる啓吾は、私の耳元でそうささやく。

「私も。愛してます。」
お互いに照れ臭くて、息子に視線を移して恥ずかしさをごまかす。

こんな瞬間も愛おしくてたまらない。

「今夜は何食べようか。」
「・・・なにがいいかな。」
こんな会話でさらにごまかそうとする啓吾。

息子が生まれてから、啓吾は仕事を定時で終えて帰宅したり、自宅からリモートワークをしてくれることが増えた。
その分、家事を本当によくやってくれる。
息子をお風呂にいれるのは啓吾の役になっていて、私はその間に料理をしたり、少しだけ休憩をさせてもらったりしている。