本当は離れたくない。
離したくない。

もう叶わないとわかりながらも、私が律樹の手を握りしめると、律樹はもう片方の手で私の手を包み込むように握ってくれる。

大きく安心する律樹の手。

私は彼のすべてが大好きだ。

「・・・おめでとう・・・よかったね・・・」
いつか・・・いつかこの時が来たら、律樹にそういうって決めてた。

のどの奥に何かがつかえているような感覚を感じても、それでも言葉にすると決めていた。

今、何度も何度も想像していたその言葉を口にした。