それだけ彼と一緒に過ごしてきた。
それだけ、彼が好きで彼を見つめて来た。

「季里」
「ん?」
突然声のトーンが変わった律樹。

「正式に辞令が出る。」
「・・・・え?」
予想していなかった言葉が律樹の口から出たことに私は明らかに動揺する。

「今日、社長から連絡が入った。」
「・・・」
知らなかった・・・。
「来週、正式に辞令がでることになった。」

彼の言葉の意味はすぐに分かった。