「鈴木さん明日から秘書課へ移動、社長第2秘書を任命します、これは正式な辞令です。分かりましたね」


 私は何を言われているのか全然分からず、その場で氷のように固まったままで。


 先輩のしずさんが私の肩をガンガンと揺さぶり、やっと我に返った。

 机には落ちた煎餅。

 へ…なんだっけ。


 しずさんが「ことちゃん、秘書課だって」ずこいよー。


 皆ではしゃいでいる、何がおきた?



 私はまだ理解が出来ないです。


 そんな私の顔を見た目の前の男性の眉間のシワ、なんか怖い。


 私が秘書?なにかの間違いでは?


 日陰人生の私にそんなことあるわけ無い。疲れている、きっと、これは夢だよね。うんうん、一人で納得。



  「正式な辞令ですよ、鈴木さん!」


 夢ではない、顔から血の気が引いていく。