あれから一ヶ月私は徹底的に自分磨きを始めた、エステには通い、メイクも習得し社長の隣は常に私に代わっていた。
私が第一秘書に、武藤さんは秘書課統括部長へと出世していった。
私のデスクは社長室内へと移動。
常に社長と一緒の時間。
『ちょっと待ちなさいよ』
化粧室前。
また、始まった!
秘書課の先輩お姉様達、短い間に第一秘書になったことが気にいらないらしい。
どんなに睨まれても全然怖くない、私は変わったから顔、体に磨きをかけ今では秘書課一の美人と噂れる程にね。
面倒、虫退治するか。
私から一歩近づき150センチの身長を活かし下から上目遣いに顔を近づけて微笑む。
「私、あなたのような勝ちきの女性が一番好きなんですよ」
下からすれすれまで唇を近づけて行き、とっさに私から離れ顔を真っ赤にしながら逃げていく、クククと笑いが止まらない。
恋愛より私はやらなければならない事がある、社長が好きなら自分から動けばいいでしょう。
そう思いながら何故だろうか、一瞬心が痛んだ。
だけど、これで近寄って来ないでしょう、別な意味で変な噂が立つかもだけど、それでも構わない。