「そうですね。もうすぐ着きますよ」

そう言って、俺は二階建ての一軒の家を指さす。

「ここから見えますね。あれが我が家です」

――今日はこれから先輩とお(うち)デートをする。

実は、約一年も付き合っているのに、一度も互いの家に行ったことが無かった。

つまり、今回が初めてのお家デートとなる。

……あぁ、長かった。やっと、家に呼べたんだ。

そんな嬉しさを嚙みしめていると、あっという間に家に着いた。