〈巻末付録 短編〉

ピコン♪

『新着メッセージがあります』

自室のベッドでくつろいでいた私は、そのメールの着信音に顔を上げた。

「LIME? 誰から?」

メッセージを確認しようと、すこし離れた机の上にあるスマホを手に取ろうとして――

ピコンピコンピコンピコン!

「……っ!?」

間髪入れずに繰り返し響く通知音。

それに驚いた私は思わず手を引っ込めかけて固まり、手を宙に浮かせたままスマホを見つめ。

少しの間を開けて、恐々と機体を手元に引き寄せた。

「……杏里(あんり)?」

そして、画面に表示された差出人が自身の親友になっていることを確認し、首を捻る。

「どうしたんだろう……」

杏里が連投するなんて珍しい、そう思いながらアプリを開く。