「……ゲームでいいんですか?」

「うん。……彼氏と家でゲームっていうの、一回やってみたかったんだよね」

キラキラとした目でゲーム機のコントローラーを見つめる彼女。

……正直、もっと難しい頼みかと思った。少し拍子抜けする。

だって、わざわざバレンタインのお返しに指定してくるぐらいだから、普段しにくいことなのかと……。

まぁ、先輩が楽しそうなので、なんでもいいんですけどね。

そう思いながら、俺はゲームの電源を入れ、テレビを点ける。

「……手加減しませんよ?」

「望むところだ!」

互いにニヤッと笑って、俺たちはゲームを始めた。