「めーいおはよう。朝の診察のお時間でーす」



修也先生はドアを開け、ニコニコ顔で私のところに近づいてきた。

私は小さい頃からずっと入院してきた。親は交通事故で亡くなった。なので施設暮らしだ。


「あれ？　芽衣。どうしたの？　布団にくるまって」

修也先生はベットの近くの椅子に座った。
私はこれから何をするのかわかりきっていて布団にくるまっている。


「だって今日は採血する日でしょ……。大体先生がニッコニコな日は私になんかするんだから！！！！」

「あ、バレた。芽衣最近するどいね？」


「私絶対しないから！！」


「拒否したってやるもんはやるよ。検査しないと治せるものも治らないからね」


「私の病気はどうがんばっても治らないんでしょ？」
私はため息をついた。


「そんなことない。俺が絶対芽衣をバンジージャンプできるぐらいに元気にしてやるから！」

「バンジージャンプって……治ってもやりたくない！」

「え〜」


　修也先生はいつもこうやってふざけているけどそれは私を元気付けるためなのだ。でも私は見事にそれに逆らっている。