「思えばそれがきっかけだった……私はその時にはもう、恭平のことが好きになってたんだと思う」


真理亜は恭平の肩にもたれ掛かりながら、消え入りそうな声で告げた。すん、と鼻をすする音が聞こえる。


「恭平に心配されたのが嬉しかったの。変よね」



真理亜は恭平の腕にしがみついて項垂れた。



「もっともっとって欲張っちゃったの……今まで私のことを心配してくれる人なんていなかったから……」